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上古「くなど神」だったかもしれない佐支多神社

荒神谷遺跡の近くに、鎮座している佐支多神社(さきたじんじゃ)です。「佐支多?」どこかで見た神社名だな?と思いました。そうです、松江市(昔は出雲国東部)の佐久多神社や佐久佐神社に名前が似ているからそう思ったのです。似ているけれど「サク」と、「サキ」の違いです。

佐支多神社 島根県出雲市斐川町荘原587 
現在の祭神 建御名方神

サクとサキも同じ 柳田国男説

佐久神=くなど神 柳田国男説 の記事で、民俗学者 柳田国男氏が、『石神問答』の中で、サクを伴う式内社は、くなど神と佐久神は同じ意味であると述べたことを書きました。

『石神問答』の後半部分では、さらに、「サク」も「サキ」も同じであることも述べています。

このように母音がさまざまに変化して、セキともサキともソキともソクともなりましたのを見ると、サクというのもまた、日本語で辺境ということであると想像できます。

現に、信州の佐久郡のような上毛(註:群馬)の渓谷と高くない山を隔てて、元々は湖水があって先住が早かった地方である、と判断できますので、蝦夷に対立して守った境線の意味でございましょう。 ※太字強調、私

柳田國男著『石神問答』大和青史訳 Kindle 版

境の神として、悪霊を封じるという意味での、くなど神の性格ゆえ、冊(サク)と関係が深いという観点です。

母音の変化として、出雲国の東部の「佐久多」(サクタ)が西部になって「佐支多」(サキタ)に変化しても不思議はないのかなと、思いました。

同じ出雲市にもう一社あるサキタ神社

奈良時代には、漢字が当て字の場合がほとんどです。佐支多神社と同じように、『出雲国風土記』記載神社の古社で、「埼田社(さきたのやしろ)」があります。(奈良時代は、楯縫郡)

今は同じ出雲市ですが、佐支多神社から見ると、埼田神社(さきたじんじゃ)は、宍道湖をはさんで、反対の北側に位置します。

漢字が違っているので気づきにくいですが、同じく「サキタ」です。

埼田神社 島根県出雲市園町732 
現在の祭神 天糠戸命・豊玉姫命・天太玉命・山雷命・野槌命

まとめ

あくまで、柳田国男氏のくなど=佐久⇒母音の変化でサキを前提とした仮説です。松江市の佐久多神社や佐久佐神社の「サク」が転訛して「サキ」となり、出雲市の佐支多神社や埼田神社となったのではないかということです。

佐久神が、くなど神と同義語ならば、佐支多神社や埼田神社も、上古の祭神として、くなど神を祭っていたのではないかという想像です。

 

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